踊る民族の足音は不器用に呼吸する

悩みながらも、ダイナミックに足音を踏み鳴らして生きたい。 踊る、音楽、本、人生について。熱い語ログ。

スペインの風はラジオから。いつかフラメンコに出会うことを予測していたラジオの奇跡。

 

スペインの風①

 
 
 
 
 
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A post shared by おどるおとめ173 (@kokoro.odorusekai.no_oto)

 

スペイン出身の作曲家、アルベニス

アルベニスが作曲した「アストゥリアス」(伝説)

 

高校生の時に、ラジオで初めて聴いたときの衝撃。

曲名もわからず、誰が作曲したかも知らず、

それは、突然、疾風迅雷のごとく聴こえてきた。

 


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しかも、私が聴いたのは、

このピアノの旋律に、

フラメンコのサパテアード(床を踏み鳴らしながら靴から響き出されるリズム)が

入っており、

その靴音があまりにも速く、力強く、強弱もあり、

当時は打楽器なのか、靴音なのか、わからなかった。

 

ちなみに、

フラメンコのサパテアードとは、


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足打ちってやつです。

 

つまりは、

そのラジオから流れていた「アストゥリアス」は、

ピアニストとフラメンコダンサーのライブ録音だったのである。

 

しかも、すごいのは、

上記にも貼った演奏からもわかるように

アストゥリアス」は速く、

そのリズムと速さにピッタリ合わせて

足を打っていたことである。

 

今ならわかるのだが、

足打ちの、

 

タコン(かかとで打つ)、

ゴルぺ(足の裏全体で打つ)、

プランタ(足の裏前半分で打つ)、

プンタ(つま先で打つ)

 

を、使い分けて打っていた。

 

だから、

高校生でフラメンコをよく知らなかった私には、

『え!!?これは打楽器!!?足音!!?』

と、びっくり仰天でラジオの前で唖然としていた。

 

しかも、

サパテアードの音がきれいだった。

 

サパテアードはただの足打ちではなくて、

“力強く、時に哀愁を帯びた、

時に祈りのように

あらんの限りの情熱が吹き出る靴音。

歌とギターに溶け合って、

高みにのぼりつめていくよう”

       ~Chaccttの解説より~

 

納得。

そう、楽器と同じで、

踏み鳴らす音は

人によって音色も違う。

 

その何年後かに、

宝塚歌劇団のビデオを見た時に、

劇中かショーで「アストゥリアス」が使われているのを発見した。

 

“あ!あのすごい曲だ!”

 

また時がたって、

民族音楽に興味を持ち

偶然アルベニスの「スペイン組曲」の

楽譜を手に取った時、

アストゥリアスと再会したのだった。

 

それから月日はたち、

フラメンコを習い始めてから、

ラジオから流れていたあの打楽器の音は

靴音だったことを知る。

 

最近では、

アストゥリアス」で踊るフラメンコライブも観た。

 

何年かけてここまで辿り着いたのだろう。

あの時の気持ちがよみがえってくる。

 

 

スペインの風②

 

実は、

高校生の時に聴いたラジオで、

もう一曲、スペインに関係する曲に出会っている(^^)

 

ラロ作曲「スペイン交響曲」だ。

ラロは、

フランス生まれで、

スペイン人ではない。

祖先がスペイン人。

それでも、

ラロの中に流れるスペインの血を沸々と感じ、

スペイン情緒溢れるこの曲に、憧れた。

 


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かっこいいなあ。

 

多感な高校生時代に

ラジオから流れてきたこの2曲は、

私の、その後の人生に大きな影響を与えたのは間違いない。

 

広い世界に解放したい私のエネルギーと

スペインが持つ情熱と熱い風が呼応して、

私を表現の道へと走らせた。

 

ラジオを聴きながら、ぼんやりと、

“私はいつかフラメンコを踊るかも知れないなぁ・・・”

と、その時思ったのだ。

その瞬間、

私の中で新しい風は吹いていたはずだ。


フラメンコとはどんな踊りか、

まだよくわかっていなかったのに。

なぜか知っているような

ぼんやりとしたイメージがあった。



私のダンス人生は熱い。

いろんな人たちと出会い、

踊りを通して自分と向き合い、

踊りに助けられ、学んできたように思う。

 

ある日

フラメンコをやりたい・・・と、

自然に思いが湧きあがったのは、

必然だった。

 

そして、

私を耕してくれたのは、

音楽。

 

ラジオから流れてくる世界の音楽

私の創造力をかき立て、

『世界へ行って来い!!』

と、背中を押してくれていた。

 

世界に行けてはいないんだけど(笑)

 

でも、

自分の人生、

悩んだこともたくさんあったけど、

原点はずっと変わらず輝き続けていることを知った

2022年の夏。

          

        ☆odoruotome☆